2023年3月10日 16:00発表
火山の状況に関する解説情報 第023号
福岡管区気象台/福岡管区気象台 鹿児島地方気象台
諏訪之瀬島の御岳(おたけ)火口では、活発な噴火活動が続いています。 爆発は期間中15回発生しました。弾道を描いて飛散する大きな噴石は、最大で火口中心から約400mまで達しました。噴火に伴う噴煙は最高で火口縁上2300mまで上がりました。 夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。 3月8日に鹿児島県の協力によって実施した上空からの観測では、御岳火口から灰白色の噴煙が上がっていることを確認しました。また、前回(2022年9月29日)の観測と比較して、火口および火口周辺に特段の変化は認められませんでした。 十島村役場諏訪之瀬島出張所によると、集落(御岳火口から南南西3.5km)で降灰が観測されました。 火山性微動は、主に噴火に伴って発生しました。島の西側で発生していると推定される火山性地震は少ない状態で経過しています。 ナベタオ観測点の傾斜計(御岳火口から南西約2.2km)では、3月6日から西上がりの変動が観測されています。この変動は、諏訪之瀬島西側のやや深部へのマグマの蓄積を示していると考えられます。 今後も活発な噴火活動が継続し、御岳火口中心から概ね2kmの範囲では、噴火に伴い大きな噴石が弾道を描いて飛散する可能性があります。
御岳火口中心から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
次の火山の状況に関する解説情報は、13日(月)16時頃に発表の予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
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