2021年7月30日 16:00発表
火山の状況に関する解説情報 第057号
福岡管区気象台/福岡管区気象台 鹿児島地方気象台
諏訪之瀬島の御岳(おたけ)火口では、活発な噴火活動が続いています。26日から30日15時にかけて、噴火に伴う噴煙が最高で火口縁上3300mまで上がりました。また、弾道を描いて飛散する大きな噴石は最大で火口から約500mまで達しました。爆発は観測されていません。 29日の夜間に高感度の監視カメラで火映を確認しています。 29日、諏訪之瀬島近海を震源とする地震が一時的に増加し、18時52分頃に発生した地震では、諏訪之瀬島で震度2を観測しました。 御岳火口周辺を震源とする火山性地震は概ね少ない状態で経過しました。火山性微動は断続的に発生しました。 ナベタオ観測点の傾斜計では7月15日頃からわずかな西上がりの変動がみられています。傾斜計の西上がりの変化は2020年12月や2021年3月の活動の活発化に先行して観測され、活発化に伴い西下がりの変化が観測されています。 御岳火口では、長期にわたって噴火活動が続いています。 今後も御岳火口から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす程度の噴火が発生する可能性があります。
御岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
次の火山の状況に関する解説情報は、8月6日(金)16時頃に発表の予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
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