2022年2月11日 16:00発表
火山の状況に関する解説情報 第006号
福岡管区気象台/福岡管区気象台 鹿児島地方気象台
口永良部島の新岳火口では、白色の噴煙が最高で火口縁上300mまで上がりました。 火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、2021年6月以降、概ね50トン以下と少ない状態で経過しています。今期間は観測値が得られていません。 火山性地震は少ない状態で経過しています。震源は主に新岳火口付近の浅い所と推定されます。 GNSS連続観測では、2021年2月頃からみられていた基線の縮みは5月頃より停滞しています。 新岳火口及び古岳付近での火山性地震は、1日数回程度発生しているなか、一時的な増加がみられています。火山ガス(二酸化硫黄)の放出も少ないながら続いています。また、新岳火口西側割れ目付近では、地熱域が引き続き観測されています。 これらのことから、火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生するおそれがあります。 火山性地震の発生回数と火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は以下のとおりです。なお、これらの値は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 火山ガス(二酸化硫黄) 2月 4日 1回 - 5日 2回 - 6日 5回 - 7日 6回 - 8日 1回 - 9日 1回 - 10日 0回 - 11日15時まで 2回 調査中 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。観測条件が悪く観測値が得られなかった日は「-」としています。
新岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 また、新岳火口から西側の概ね2kmの範囲では、火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
次の火山の状況に関する解説情報は、18日(金)16時頃に発表の予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
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