2021年1月25日 16:00発表
火山の状況に関する解説情報 第009号
福岡管区気象台/福岡管区気象台 鹿児島地方気象台
口永良部島では、火山性地震が少ない状態でしたが、22日から増加し、多い状態で経過しています。震源は主に新岳火口付近の浅い所と推定されます。火山性微動は観測されていません。 新岳火口では、18日以降、白色の噴煙が最高で火口縁上400mまで上がりました。 19日及び20日に実施した現地調査では、引き続き、新岳火口西側割れ目付近で地熱域を確認しました。 火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、少ない状態で経過しています。 GNSS連続観測では、地下の膨張を示唆する2019年10月頃からの島内の基線の伸びは2020年5月頃から鈍化し、現在は停滞しています。 口永良部島では、火山性地震が時々増加するなど、火山活動に高まりがみられます。今後の火山情報に注意してください。 1月18日からの火山性地震の発生状況は以下のとおりです。なお、地震回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 火山性微動 火山ガス (二酸化硫黄) 1月18日 4回 0回 60トン 19日 1回 0回 60トン 20日 3回 0回 30トン 21日 5回 0回 50トン 22日 18回 0回 ー 23日 35回 0回 ー 24日 23回 0回 80トン 25日15時まで 16回 0回 ー 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。天候不良や観測条件が悪いなど観測値が得られなかった日は「ー」としています。
新岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 また、新岳火口から西側の概ね2kmの範囲では、火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
次の火山の状況に関する解説情報は、2月1日(月)16時頃に発表の予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
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