2021年1月19日 11:10発表
火山の状況に関する解説情報 第007号
福岡管区気象台/福岡管区気象台 鹿児島地方気象台
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 口永良部島では、引き続き規模の小さな噴火の可能性がありますので、新岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、新岳火口から西側の概ね2kmの範囲では、火砕流に警戒してください。
口永良部島では、2020年11月頃から新岳火口付近の浅い場所を震源と推定される火山性地震に減少傾向がみられ、規模の大きな火山性地震も観測されていません。また、新たなマグマの上昇を示すと考えられる、新岳西側山麓付近の火山性地震は、2020年6月以降観測されていません。 火口内の熱の高まりを示す火映は、2020年7月以降観測されていません。 13日に実施した現地調査では、新岳火口及び新岳火口西側割れ目付近の噴煙や地熱域の状況には、火山活動の活発化を示す特段の変化は認められていません。 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は2020年5月頃まで増加傾向が続いていましたが、その後は減少傾向がみられています。 GNSS連続観測では、地下の膨張を示唆する2019年10月頃からの島内の基線の伸びは2020年5月頃から鈍化し、現在は停滞しています。 これらのことから、口永良部島では新岳火口から概ね2kmの範囲及び向江浜地区から新岳の南西にかけての火口から海岸までの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性は低くなったと判断し、本日(19日)11時00分に噴火警戒レベルを3(入山規制)から2(火口周辺規制)に引き下げました。 一方、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、減少傾向であるものの、やや多い状態が続いていることから、引き続き規模の小さな噴火の可能性がありますので、新岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、新岳火口から西側の概ね2kmの範囲では、火砕流に警戒してください。
新岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 また、新岳火口から西側の概ね2kmの範囲では、火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
次の火山の状況に関する解説情報は、25日(月)16時頃に発表の予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
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