2023年2月10日 16:00発表
火山の状況に関する解説情報 第020号
福岡管区気象台/福岡管区気象台 鹿児島地方気象台
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 2月6日から10日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火砕流を伴う噴火が発生するおそれがあります。
桜島では、活発な噴火活動が続いています。 昭和火口では、噴火が3回発生しました。噴煙は最高で火口縁上1500mまで上がり、弾道を描いて飛散する大きな噴石は最大で6合目(昭和火口より300mから500m)まで達しました。 また、同火口では、夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。 南岳山頂火口では、噴火が3回発生し、このうち1回が爆発でした。噴煙は最高で火口縁上2000mまで上がり、弾道を描いて飛散する大きな噴石は最大で7合目(南岳山頂火口より600mから900m)まで達しました。 また、同火口では、期間を通して夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。 火山性地震は少ない状態で経過しています。また、火山性微動が時々発生しました。 8日に実施した現地観測では、引き続き南岳南東山腹や昭和火口近傍で地熱域を確認しました。 島内に設置している傾斜計及び伸縮計では、1月14日頃から一時的な収縮を挟みながら、山体膨張を示す緩やかな地殻変動が観測されています。 GNSS連続観測では、2021年10月頃から、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張を示す基線の伸びがみられていましたが、昨年(2022年)3月頃から停滞しています。 桜島では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部にマグマが長期にわたり蓄積した状態であり、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量も概ね多い状態で経過しています。また、山体膨張を示す緩やかな地殻変動が引き続き観測されていることから、今後も噴火活動が継続すると考えられます。今後の火山情報に注意してください。 火山性地震、爆発の回数は以下のとおりです。なお、火山性地震の回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 爆発 2月 6日 9回 0回 7日 5回 0回 8日 25回 0回 9日 11回 1回 10日15時まで 1回 0回
南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。 なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性がありますので留意してください。
次の火山の状況に関する解説情報は、13日(月)16時頃に発表の予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
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