2021年8月30日 16:00発表
火山の状況に関する解説情報 第072号
福岡管区気象台/福岡管区気象台 鹿児島地方気象台
桜島では、今期間噴火は観測されていません。 南岳山頂火口では、29日夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。 火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていません。 島内に設置している傾斜計及び伸縮計による地殻変動観測では、特段の変化は認められていません。 GNSS連続観測では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張を示す基線の伸びは、2021年6月頃から停滞しています。 桜島では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部にマグマが長期にわたり蓄積した状態であり、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は2020年9月下旬以降概ね多い状態が続いています。噴火活動は低調に経過していますが、南岳山頂火口を中心に、再び活発化するおそれがありますので、今後の火山情報に注意してください。 火山性地震、爆発の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 爆発 8月27日 16回 0回 28日 11回 0回 29日 7回 0回 30日15時まで 3回 0回
南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。 なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性がありますので留意してください。
次の火山の状況に関する解説情報は、9月3日(金)16時頃に発表の予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
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