2021年4月25日 15:40発表
火山の状況に関する解説情報 第035号
福岡管区気象台/福岡管区気象台 鹿児島地方気象台
桜島の南岳山頂火口で、本日(25日)01時09分に爆発が発生し、同火口から火砕流が南西側へ約1.8km流下したと判断しましたが、午前中、気象庁機動調査班(JMA-MOT)が実施した現地調査では、赤外熱映像装置による観測で火砕流の痕跡に相当する高温部はなく、樹木がなぎ倒される等の状況は認められませんでした。 このため、火砕流と判断していた現象は、風下に流された噴煙の一部であると考えられます。 島内に設置している傾斜計及び伸縮計による地殻変動観測では、特段の変化は認められていません。 桜島では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部へのマグマ供給、蓄積が継続しており、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が多い状態が続いていることから、南岳山頂火口を中心に、噴火活動が継続すると考えられます。今後の火山情報に注意してください。
南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。 なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性がありますので留意してください。
次の火山の状況に関する解説情報は、26日(月)16時頃に発表の予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
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