2021年3月12日 16:00発表
火山の状況に関する解説情報 第021号
福岡管区気象台/福岡管区気象台 鹿児島地方気象台
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 3月8日から12日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火砕流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。
桜島では、活発な噴火活動が続いています。 南岳山頂火口では、噴火が10回発生し、このうち3回が爆発でした。噴煙は最高で火口縁上2700mまで上がりました。弾道を描いて飛散する大きな噴石は最大で6合目(南岳山頂火口より800mから1100m)まで達しました。 また、同火口では、夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。 火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていません。 10日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あたり2300トン(前回2日、2900トン)と多い状態でした。 島内に設置している傾斜計及び伸縮計による地殻変動観測では、特段の変化は認められていません。 GNSS連続観測では、2019年9月以降、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張を示す基線の伸びが認められています。 桜島では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部へのマグマ供給、蓄積が継続しており、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が多い状態が続いていることから、南岳山頂火口を中心に、噴火活動が継続すると考えられます。今後の火山情報に注意してください。 火山性地震、火山性微動、爆発の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 火山性微動 爆発 3月 8日 11回 0回 0回 9日 14回 0回 1回 10日 16回 0回 1回 11日 2回 0回 0回 12日15時まで 9回 0回 1回
南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。 なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性がありますので留意してください。
次の火山の状況に関する解説情報は、15日(月)16時頃に発表の予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
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