2023年2月20日 16:00発表
火山の状況に関する解説情報 第022号
福岡管区気象台
阿蘇山では、15日から18日にかけて火山性微動の振幅が緩やかに増大し、中岳西山腹観測点南北動成分の1分間平均振幅で一時的に4.0マイクロメートル毎秒程度に達しましたが、その後は次第に減少し、昨日(19日)には0.7マイクロメートル毎秒程度まで小さくなりました。本日(20日)15時現在は、1.0マイクロメートル毎秒程度と小さな状態で推移しています。 14日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は900トン(前回(9日)800トン)と少ない状態でした。 中岳第一火口では、白色の噴煙が最高で火口縁上600mまで上がりました。 GNSS連続観測では、2022年9月頃から広域の基線でみられていた縮みの傾向は、10月頃から停滞しています。 火山活動が高まっていますので、中岳第一火口から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性があります。
中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。 また、火山ガスに注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
次の火山の状況に関する解説情報は、27日(月)16時頃に発表の予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
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