2022年2月24日 16:00発表
火山の状況に関する解説情報 第010号
福岡管区気象台
阿蘇山では、本日(24日)05時頃から火山性微動の振幅が大きくなり、09時30分頃には中岳西山腹観測点南北動の1分間平均振幅で一時的に15マイクロメートル毎秒を超えるなど変動を繰り返しました。振幅は09時40分過ぎには約2.5マイクロメートル毎秒まで急激に小さくなり、以降は3マイクロメートル毎秒程度で推移しています。 中岳第一火口の噴煙の状況に特段の変化はなく、白色の噴煙が最高で火口縁上700mまで上がりました。 本日、気象庁機動調査班(JMA-MOT)が実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、2200トン(前回22日、1500トン)と多い状態でした。 GNSS連続観測では、2021年9月頃からみられていた草千里付近の深部にあるマグマだまりの膨張を示すと考えられる基線の伸びは、12月頃から停滞しています。 阿蘇山では火山活動が高まっていることから、中岳第一火口から概ね2kmの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります。
中岳第一火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。 また、火山ガスに注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
次の火山の状況に関する解説情報は、25日(金)16時頃に発表の予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
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