2022年2月18日 16:00発表
火山の状況に関する解説情報 第007号
福岡管区気象台
阿蘇山では、火山性微動の振幅は変動を繰り返しています。中岳西山腹観測点南北動の1分間平均振幅で、12日に一時的に2.0マイクロメートル毎秒を超えやや大きくなりましたが、その後は小さくなり13日以降は1.0マイクロメートル毎秒程度で推移しています。 中岳第一火口では、白色の噴煙が最高で火口縁上800mまで上がりました。また、同火口では、夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。 15日及び17日に山麓で実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、それぞれ2100トン、1700トンと、2021年10月の噴火以前よりも多い状態が継続しています。 GNSS連続観測では、2021年9月頃からみられていた草千里付近の深部にあるマグマだまりの膨張を示すと考えられる基線の伸びは、12月頃から停滞しています。 阿蘇山では、深部にあるマグマだまりの膨張を示唆する地殻変動は停滞していますが、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量の多い状態が継続しています。このことから、火口から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります。
中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。 また、火山ガスに注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
次の火山の状況に関する解説情報は、25日(金)16時頃に発表の予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
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