2022年1月21日 16:00発表
火山の状況に関する解説情報 第003号
福岡管区気象台
阿蘇山では、火山性微動の振幅は19日21時頃から本日(21日)7時頃にかけて大きい状態となり、中岳西山腹観測点南北動の1分間平均振幅で約4マイクロメートル毎秒まで達し、一時的に不安定な状態となりました。本日9時頃から振幅は小さくなり、15時現在は約1マイクロメートル毎秒で推移しています。 中岳第一火口では、白色の噴煙が最高で火口縁上500mまで上がりました。また、同火口では、夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。 18日及び昨日(20日)山麓で実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、それぞれ1600トン、2800トン(前回12日、2000トン)と引き続き多い状態でした。 GNSS連続観測では、2021年9月頃から草千里付近の深部にあるマグマだまりの膨張を示すと考えられる基線の伸びが認められます。 阿蘇山では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が多い状態で推移しています。また、GNSS連続観測では、深部にあるマグマだまりの膨張を示唆する変動がみられています。これらのことから、火口から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります。
中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。 また、火山ガスに注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
次の火山の状況に関する解説情報は、28日(金)16時頃に発表の予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
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