2021年12月3日 16:00発表
火山の状況に関する解説情報 第045号
福岡管区気象台
阿蘇山の中岳第一火口では、白色の噴煙が最高で火口縁上600mまで上がりました。また、昨日(2日)夜から本日(3日)未明にかけて、高感度の監視カメラで火映を観測しました。火映の観測は2020年2月20日以来です。 山麓で実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は1700から2500トン(前回、4100トン)と引き続き多い状態でした。 火山性微動の振幅は、時々やや大きい状態となっています。中岳第一火口浅部を震源とする振幅の小さな火山性地震は、多い状態で経過しています。 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千里を挟む基線において、10月頃から伸びが認められます。 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は多い状態が継続しており、GNSS連続観測では、深部にあるマグマだまりの膨張を示唆する変動がみられていることから、今後も火口から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります。
中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。 また、火山ガスに注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
次の火山の状況に関する解説情報は、10日(金)16時頃に発表の予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
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