2021年11月5日 16:00発表
火山の状況に関する解説情報 第037号
福岡管区気象台
阿蘇山では、10月21日以降、噴火は発生していません。 中岳第一火口では、3日から本日(5日)15時までに、白色の噴煙が最高で火口縁上1000mまで上がりました。 昨日(4日)、山麓で実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、4600トン(前回1日、3300トン)と引き続き多い状態でした。 火山性微動の振幅は、概ね小さい状態で経過していますが、一時的な増大もみられています。中岳第一火口浅部を震源とする振幅の小さな火山性地震は、10月30日頃から減少していましたが、昨日から再び増加しています。 京都大学本堂トンネル観測点の伸縮計では、中岳火口浅部の膨張とみられる変動が10月29日頃から鈍化し、10月31日頃からは中岳火口浅部の収縮とみられる変動が観測されています。 阿蘇山では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が多い状態で、火山性微動の振幅の一時的な増大もみられていることから、今後も火口から概ね2kmの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります。
中岳第一火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。 また、火山ガスに注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
次の火山の状況に関する解説情報は、8日(月)16時頃に発表の予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
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