2021年10月25日 17:10発表
火山の状況に関する解説情報 第030号
福岡管区気象台
阿蘇山では、21日以降、噴火は発生していません。 中岳第一火口では、22日から本日(25日)にかけて、白色の噴煙が最高で火口縁上1100mまで上がりました。 本日、山麓で実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、1600トン(前回21日、2500トン)と、やや多い状態でした。 火山性微動の振幅は、昨日(24日)23時から本日02時頃にかけて急激な増大がみられ、その後は小さくなっています。本日11時頃からは、中岳第一火口浅部を震源とする振幅の小さな火山性地震が増加しています。 また、京都大学本堂トンネル観測点の伸縮計では、中岳火口浅部の膨張とみられる変動が観測されています。 これらのことから、中岳火口浅部での増圧が示唆され、20日の噴火と同程度の規模の噴火が発生する可能性があります。
中岳第一火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。 また、火山ガスに注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
次の火山の状況に関する解説情報は、26日(火)16時頃に発表の予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
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