2021年10月14日 16:00発表
火山の状況に関する解説情報 第020号
福岡管区気象台
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 中岳第一火口では、小規模な噴火の可能性があります。中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
中岳第一火口では、本日(14日)04時43分頃に噴火が発生しました。その後、噴火は発生しておらず、白色の噴煙が最高で火口縁上600mまで上がりました。 本日、気象庁機動調査班(JMA-MOT)が実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、1900トン(前回9月29日、600トン)とやや多い状態でした。また、現地調査及び聞き取り調査では、熊本県高森町、大分県竹田市及び宮崎県高千穂町の一部で降灰を確認しました。 京都大学及び熊本大学が実施した現地調査によると、火口縁付近で大きな噴石が確認されています。 火山性微動の振幅は、昨日(13日)15時30分頃から次第に大きくなり、噴火に伴いさらに増大しましたが、噴火発生後は小さくなり、中岳西山腹観測点南北動の1分間平均振幅で2マイクロメートル毎秒を下回った状態で経過しています。 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千里を挟む基線において、2020年7月頃からわずかな縮みの傾向がみられていましたが、現在は停滞しています。 火山活動が高まっていますので、中岳第一火口から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性があります。
中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。 また、火山ガスに注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
次の火山の状況に関する解説情報は、15日(金)16時頃に発表の予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
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