2019年10月21日 20:00発表
火山の状況に関する解説情報 第109号
福岡管区気象台
火山性微動の振幅は、大きな状態で変動を繰り返していましたが、本日(21日)16時頃から、阿蘇中岳西山腹観測点南北動の1分間平均振幅が3.5マイクロメートル毎秒を超え、さらに大きくなっています。また、孤立型微動及び火山性地震の回数は、引き続き多い状態で経過し、時々振幅の大きな地震が発生しています。 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、10月15日及び16日に実施した現地調査で、1日あたりそれぞれ4500トン、4200トンと非常に多い状態で経過しています。 中岳第一火口で、10月7日に発生した噴火は、本日19時現在も継続しており、夜間には火映(高感度の草千里監視カメラによる)を観測しています。 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千里を挟む基線において、2014年頃からの伸びの傾向が維持されています。 このように、火山活動がさらに高まった状態となっていますので、今後の火山活動の推移に留意してください。
中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。 また、火山ガスに注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
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