2022年7月12日 14:10発表
火山の状況に関する解説情報 第032号
気象庁本庁/気象庁
焼岳では、5月23日から6月上旬にかけて山頂付近を震源とする微小な火山性地震が増加しました。その後、地震活動は低調に推移しています。山頂付近の噴気の状況や地殻変動にも地震活動に伴う変化は認められません。このように、火山活動は地震増加前の状態に戻っていることから、想定火口域から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性は低くなったと考えられます。 このため、本日(12日)14時00分に噴火予報を発表し、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から1(活火山であることに留意)に引き下げました。 ただし、GNSS連続観測では、山頂付近での緩やかな膨張の可能性のある変化は継続しており、焼岳周辺では数年おきに震度1以上を観測する地震を含む活発な地震活動がみられることから、中長期的に焼岳の火山活動は高まってきている可能性がありますので、今後の火山活動の推移に注意が必要です。
山頂付近を含む想定火口域内では、突発的に火山ガス等が噴出する可能性があります。 登山する際は、火山活動の異変に注意するとともに、ヘルメットを着用するなどの安全対策をしてください。 また、噴気地帯にはとどまらないでください。
噴火警報の解除に伴い、今回の一連の火山の状況に関する解説情報の発表はこれで終了します。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します
(C)日本気象協会