「10種雲形をさがそう」では、雲の種類と見分けかたについて勉強しました。
ここでは、さらにステップアップして、雲ができるしくみを勉強しながら、ペットボトル内に雲を発生させる実験を行います。
雲は、大気中の水分がちりなどの小さな粒子を核にして、水や氷の小さな粒が集まったものです。
ペットボトルの中をよーく見ながら、雲ができる様子を観察しましょう。
※今回は、特別な装置を使って実験してみます。
STEP1
この装置はCO2濃度計というもので、 二酸化炭素の濃度が高くなると、赤いランプが光り、温度計のようにランプが次々に光っていきます。
センサーに息を吹きかけてみると、みるみるうちに測定器のランプが光って、 二酸化炭素の濃度が高くなったことを示しましたね。
人間など動物が生きていれば、二酸化炭素が増え続けそうですが、 実際にはそうなりません。というもの、植物が二酸化炭素を吸収して、 一定の濃度を保っているからです
STEP2
では、植物が二酸化炭素を吸収しているか確かめて見ます。
屋外で太陽の光が当たっている植物にビニールをかぶせ、 その中の二酸化炭素濃度の変化をみてみましょう。
STEP3
ここで使う装置は先ほどよりも高性能なもので、二酸化炭素の濃度をより正確に測ることができます(可搬型CO2測定器)。
この装置を使って測定してみると、初めは978ppmだった濃度が、時間がたつにつれ507ppmへと濃度が減少しました。
植物が二酸化炭素を吸収し酸素に変えたのです。
このように植物が二酸化炭素を吸収してくれるので、 動物の呼吸分だけであれば、地球上の二酸化炭素が増えることがありません。
しかし、産業革命以降、化石燃料を大量に使うようになり、 私たちは二酸化炭素を大気中に大量に放出するようになったのです。
STEP4
今度は燃焼による二酸化炭素濃度を測ってみましょう。
石油の成分が含まれたロウソクに火をつけて、(さきほど息を吹きかけたのと同じ装置で)濃度を測定すると、数値は一気に急上昇。
「金ちゃんの仮装大賞」でいうと、 「文句なしの合格?!」みたいなランプのつき方でした。
地球上では化石燃料の燃焼に加えて、伐採による森林の減少も重なり、 二酸化炭素は吸収しきれなくなってしまったのです。
IPCC第3次報告書のデータですが、 植物や海の中に吸収される二酸化炭素よりも、 人間が排出する二酸化炭素のほうがはるかに多いのです。
そのため、世界の二酸化炭素濃度は年々上昇し、 285ppmから、2006年には381ppmになったと報告されています。
二酸化炭素など温室効果ガスの濃度の上昇によって、 地球の気温は上昇を続けているのです。
化石燃料を大量に消費したエネルギーによって、 電気製品や自動車が可能になり、快適な生活になりました。
しかし、その代償として、地球温暖化の問題が起こっているのです。
(協力:NPO法人気象キャスターネットワーク)
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