わたしたちの生活に欠かせない情報の一つである天気の疑問に2人の気象予報士が答えるコラム。(2008年4月終了)
2007年10月17日
Q
晴れ・曇り・雨のうち、雨だけ降水確率で表示されるのはなぜ?
A
技術的にはれや曇りの確率も可能ですが、どの情報を表示するのかどうかは、やはり一般市民が必要としているかどうかによるものだと思います。
台風や大雨などの防災情報を除くと、日々、天気予報で知りたい情報というのは、傘が必要なのか、どんな服装がよいかなどではないでしょうか。
そのため、関心が高い雨(または雪)の降る確率だけを発表しているのだと思います。
ちなみに、長期予報では雨以外に、気温が平年より高いか低いかなどの気温の確率も発表しています。
Q
降水確率20%と降水確率30%との違いは?
A
まず大前提となる降水確率予報の定義から。
今日や明日の短期予報で発表される降水確率は、予報対象時間の6時間に、1ミリ以上の雨(または雪)が降る可能性を示しています。
降水確率20%の予報が10回発表されると、そのうち2回は1ミリ以上の雨が降るという意味です。
数値が大きくなると雨が降りやすいということになりますが、雨の強さや雨量にはなんら関係がありません。
20%でも激しい雨が降りますし、 100%でも小雨ということもあります。
また、極論をいいますと、降水確率は1ミリ以上の雨(または雪)の降る可能性ですので、1ミリに満たない霧雨であれば、降水確率0%で雨が降ってもおかしくないのです。
降水確率の特徴としては、西からやってくる前線を伴った低気圧のように広範囲に雨を降らせる場合は高い数値が出ますが、夏の夕立のように、局地的に狭い範囲に、しかも数時間だけ降るような雨の場合は、あまり高い数値は出ません。
Q
降水確率50% これって雨が降るの?降らないの?
A
ま確率論からいうと、コインの裏と表が出る確率と一緒で、降るか降らないかは五分五分ということになります。
しかし、降水確率が50%と発表されたら、傘を持ち歩くことをお勧めします。
何故なら、私たちの行動時間(雨が降るかどうか気になる時間)は降水確率の予報期間より長いことが多いからです。
通常(今日・明日の短期予報の場合)、降水確率は6時間刻みで予報されます(0時〜6時、6時〜12時、12時〜18時、18時〜24時の4つの期間)。
たとえば、午後(12時から18時まで)の降水確率が50%だった場合、その期間内だけなら、雨が降るかどうか五分五分ですが、私たちが学校や仕事などで行動している時間はもっと長いですよね。
午前中や夜の降水確率が0%なら問題ないのですが、そんなことはまずありません。
もし、午後に加えて、午前(6時から12時まで)の降水確率も50%だとしたら、昼間(6時〜18時)に雨が降る確率は75%となってしまうのです。
午前(6時〜12時)の降水確率が30%だったとしても、昼間に雨が降る可能性は65%と高いのです。
昼間(6時〜18時)の時間帯で雨の降る確率が50% になるのは、午前(6時〜12時)と午後(12時〜18時)の両方が約30%の時です。
屋外で行動する時間の長さにもよりますが、降水確率30%が傘を持つかどうかの目安になるのではないでしょうか。
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