おしえて気象予報士さん

おしえて気象予報士さん

わたしたちの生活に欠かせない情報の一つである天気の疑問に2人の気象予報士が答えるコラム。(2008年4月終了)

台風の不思議 その1

2007年08月14日

今回は台風について「銀河番長」さんと「cat」さんの質問に気象予報士の岩谷さんにお答えいただきました。

Q

どうして台風は、沖縄周辺でカーブするのですか?最近は必ずそのまま中国へ行かず、日本に来るルートになっていますが、中国が雲を操作しているのでは?

A

「台風が沖縄周辺でカーブすることが多いのは、天気図をみると、大体わかるのではないでしょうか

図1

台風は太平洋高気圧(夏の高気圧)の外側を回って北上することが多いのです。
等圧線に沿って風が吹いていて、高気圧の縁を回るように台風は北上してきます。
さらに、日本付近では偏西風という強い西風が吹いているため、台風は東へ向きを変えて、速い速度で進むようになります。

「最近、中国へ行かず・・・」との質問ですが、そんなことはないと思いますよ。

図2

2006年の台風経路図をみると(図2)、中国やフィリピンに向かっている台風もありますよね。

テレビなどで報道するときは、台風が日本に接近する恐れがあるときなので、「台風は中国へ行かず、日本にやってくることが多い」と思ってしまうのかもしれませんね。

人間の力で台風の進路を変えることはできません。
中国で天気を操作しているというのは、ヨウ化銀の入ったロケットを頭上の雲の中に打ち上げて、雨を降らせるくらいでしょうか。
これは日本でも実験的に行われたことはありますが、降水量が少し増える程度です。
台風の進路を調整できたら、気象災害も軽減できそうですが、大きさが数百キロもある台風にはとてもかないません。

goo天気編集部:では映画などでよくでてくる人の力で(爆弾などもこみ)天気を変えることはまだ現在の科学ではできないのですね?

強大な扇風機を作っても台風は曲がってくれませんし、爆弾でもびくともしません。
火山を大噴火させれば、雨を降らせることは出来るかもしれませんが、雨の恵み以上に噴火被害が大きくなってしまいますよね。もちろん、今の科学でそのようなことはできませんが…。
天気を変えようとするのではなく、天気にあった生活をしたほうがよいのではないでしょうか。

Q

大型で非常に強い台風四号、アジア名ではマンニィというそうですがこの命名の由来と、命名の仕方を教えてください。

A

台風4号のアジア名「マンニィ」は、香港が名づけた名前で「海峡の名前」という意味があります。

goo天気編集部:アジア付近に発生したものだけアジア名がつくのでしょうか?アジア各国、例えばシンガポールやタイ、インド、中国などニュースでも使われているのでしょうか?

日本では1号、2号と番号で、台風の発生順に名前をつけていますが、これとは別に、アジア地域の共通の名称として、2000年からアジア名をつけています(それ以前は米国が人名でつけていました)。

アジア名は、アジア地域の14カ国等(台風委員会)がそれぞれ名前を10個ずつ出し合い、あらかじめ140個の名前を用意しています。

次の台風5号は日本が名づた「ウサギ」(うさぎ座)です。
名前は各国で自由に選んでいますが、日本が名づけたアジア名はすべて星座名となっています。

goo天気編集部:私からすると台風は夏のものなので、「西瓜」など夏らしいものが良いかと思うのですが、どうして星座名になったのでしょうか?ご存知だったらおしえてください。

災害をもたらす台風の名前に商品名を用いると、そのイメージを損なう恐れがありますよね。
そこで、気象庁は利害に関わるものを避けて、自然に関わり親しみのある「星座」を選んだそうです。
数多くある星座のなかでも、短くてわかりやすいものを選び、また、その発音が諸外国で悪い意味にならないように配慮しているそうです。

goo天気編集部:なるほど~。なんでもいいってわけじゃないのですね。

台風は1号、2号の号数だけで十分わかると思うかもしれませんが、米国など各国の解析の判断によっては、台風にするかしないか見解がわかれることがあります。それによっては、番号がずれてしまいますよね。そのため、共通のアジア名をつけています。

アジア名を日本の天気予報で聞くことは稀ですが、世界を航行する船舶関係の方にはアジア名の方が一般的でしょう。

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