2023年1月19日 16:00発表
火山の状況に関する解説情報 第009号
福岡管区気象台/福岡管区気象台 鹿児島地方気象台
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 桜島では、山体膨張を示すわずかな地殻変動がみられています。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火砕流を伴う噴火が発生するおそれがあります。
桜島では、14日09時頃から昨日(18日)20時頃にかけて島内に設置している傾斜計及び伸縮計で、山体膨張を示すわずかな地殻変動が観測されました。その後、収縮傾向にありますが、山体が膨張した状態は現在も続いています。 南岳山頂火口では、本日(19日)06時59分に爆発が発生しました。噴煙は火口縁上1300mまで上がり、弾道を描いて飛散する大きな噴石が7合目(南岳山頂火口より600mから900m)まで達しました。 昨日(18日)に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あたり1400トン(前回13日、2100トン)とやや多い状態でした。 14日からの山体膨張が一度に解消されるような噴火が発生すると、2018年6月16日の南岳山頂火口における噴火のように、多量の降灰及び小規模な火砕流を伴う可能性があります。また、やや規模の大きな爆発が発生し、火口から1kmを超えて大きな噴石が飛散する可能性もあります。今後の情報に留意してください。
南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。 なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性がありますので留意してください。
次の火山の状況に関する解説情報は、20日(金)16時頃に発表の予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
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