2022年7月25日 16:00発表
火山の状況に関する解説情報 第065号
福岡管区気象台/福岡管区気象台 鹿児島地方気象台
桜島の南岳山頂火口で、昨日(24日)20時05分に爆発が発生し、弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から東方向へ約2.5kmまで達しました。その後は、爆発や噴火が時々発生し、噴煙は最高で火口縁上2200mまで上がり、雲に入りました。爆発に伴う噴石の飛散は、雲のため確認できていません。 本日(25日)、気象庁機動調査班(JMA-MOT)が実施した現地調査では、風下側にあたる桜島島内の桜島白浜町から黒神町にかけて降灰を確認しましたが、小さな噴石は確認されませんでした。 また、本日、九州地方整備局の協力により実施した上空からの観測では、南岳山頂火口及び昭和火口の火口及び火口周辺の状況は雲のため不明でした。監視カメラで約2.5kmまで噴石の飛散を確認した南岳東斜面の状況に、特段の変化は認められませんでした。 島内に設置している伸縮計では、昨日19時頃から山体の膨張が観測され、20時05分の爆発により収縮しました。なお、7月18日09時頃から観測されているわずかな山体膨張は、20日15時頃からその変化は概ね停滞していますが、山体が膨張した状態は現在も続いています。 火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていません。 桜島では、山体膨張は概ね停滞しており、現在のところ規模の大きな噴火が発生する兆候は認められません。ただし、今後も同程度の噴火が発生する可能性があるため、南岳山頂火口及び昭和火口から概ね3km以内の居住地域(鹿児島市有村町及び古里町の一部)では、大きな噴石に厳重な警戒(避難等の対応)をしてください。
南岳山頂火口及び昭和火口から概ね3km以内の居住地域(鹿児島市有村町及び古里町の一部)では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に厳重な警戒(避難等の対応)をしてください。 また、概ね2kmの範囲では火砕流に警戒をしてください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。 なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性がありますので留意してください。
次の火山の状況に関する解説情報は、26日(火)16時頃に発表の予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
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