2022年7月15日 16:00発表
火山の状況に関する解説情報 第056号
福岡管区気象台/福岡管区気象台 鹿児島地方気象台
南岳山頂火口では、今期間噴火は観測されていません。 また、同火口では、夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。 火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていません。 13日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あたり1400トン(前回6月30日、800トン)と、大きな変化はありませんでした。 GNSS連続観測では、昨年(2021年)10月頃から、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張を示す基線の伸びが認められていましたが、3月頃から停滞しています。 桜島では、噴火活動は低調に経過していますが、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部にマグマが長期にわたり蓄積した状態であることから、現在噴火活動がみられている南岳山頂火口を中心に、噴火活動が活発化する可能性がありますので、今後の火山情報に注意してください。 火山性地震、爆発の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 爆発 7月11日 0回 0回 12日 0回 0回 13日 3回 0回 14日 0回 0回 15日15時まで 0回 0回
南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。 なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性がありますので留意してください。
次の火山の状況に関する解説情報は、18日(月)16時頃に発表の予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
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