おしえて気象予報士さん
わたしたちの生活に欠かせない情報の一つである天気の疑問に2人の気象予報士が答えるコラム。(2008年4月終了)
雷の不思議
今回は「bandana」さんの質問に気象予報士の太田さんにお答えいただきました。
雷の起こるしくみ・どうして音が出るのか・稲妻は大体分かります、地上の上に来ている+の電気と雲の下にある−とが放電してるって事ですよね?+と−は+が軽い・・・?と聞いた覚えがありますが、違ってますか?また、避雷針今は誘雷針と言うそうでが、ビルに付けてありますがどうなってるか知りたいです。よろしくお願いします。
ご質問は雷の電荷の話と避雷針のことですよね?ではまずは、雷の電荷の話。これは恐らく雷の電荷分離についてのご質問かと思うので、今回はそれを説明します。
雲が強く帯電しはじめるのは、積乱雲が成熟し、「あられ」や「ひょう」が十分に成長してからということが知られています。でも、雲を帯電させるメカニズムにはいくつかの説があり、今でもその詳細については研究は進行中です。 で、本題の+の電荷が軽い話ですが、雷雲(積乱雲)の中の上昇気流で水滴が運ばれると、上空ほど低温のために水滴は氷の粒「氷晶」に変化します。「氷晶」はさらに「あられ」(5ミリ以下)に成長します。「あられ」は粒が大きいため、雲の中を落下します。このときに「あられ」と「氷晶」が衝突し、+と−の電荷が分離します。 温度が−10℃以下の雲の中で、過冷却水滴がたくさんある場合、衝突の際「あられ」は負に帯電し、「氷晶」は正に帯電します。ここで、重い「あられ」は重力で下に、軽い「氷晶」は積乱雲の中の上昇気流にのって上に行きます。つまり、軽い「氷晶」は+に帯電し、重い「あられ」には−に帯電している・・・ということになりますよね。
避雷針は落ちようとしている雷を高いところでキャッチして、大地に導くというもの。雷を避けるというよりは、誘うという感じなので「誘雷針」といったほうがいいとの意見もあるようです。

goo天気編集部:避雷針のしくみってどういうものですか?
高く突起したものに落ちやすい雷の性質を利用して、建物の上に尖った銅製の棒を立て、雷をそこに導きます。導かれた雷は、銅線や地面深く埋められた鉄骨、鉄筋を通して大地で放電します。 (参考文献:雷雨とメソ気象:大野久雄著 東京堂出版)
goo天気編集部:軽い「氷晶」は+に帯電、重い「あられ」には−に帯電・・・。雷ってなかなか難しいのですね・・・。続いても雷について「なこ」さんの質問にお答えいただきましょう。
音は鳴らないのに空が光っています。たぶん雷ですが・・・。なぜただ上空で光るだけなのですか?また、なぜ音は鳴らないのですか??
まずは雷についての予備知識です。雷は放電が地上に達するか?そうでないか?で大きく分類されます。
地上に達する場合: 落雷。強い電流により、空気が急激に膨張、収縮し、大きな音が鳴る。
地上に達しない場合: 雲放電。電流は弱めで雷鳴はあるが、音が小さい。
音が鳴らないのに空が光っていた、というのには2つの可能性が考えられます。
1.落雷ですが、雷が落ちた地点が遠いため、音が鳴っていたけど聞こえなかった。
2.雲放電(雲内放電や雲間放電)だった。
ご質問の雰囲気では2の可能性が高そうですよね?
2については、teerが行なったアメリカアリゾナ州での雷鳴観測で詳しく調べられていて、雲放電からの雷鳴は落雷のような突然大きな音ではなく、雷鳴の振動も落雷に比べて小さく、その波形も複雑であるとの報告があります。つまり、雲放電でも音も鳴っていますが、聞こえにくく、聞き取れないことが多いということになるんですね。
(参考文献:雷放電現象 竹内敏雄著 名古屋大学出版会)






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